取引先から、請求書をメールやマイページで、PDFなどの電子データで受け取ることが増えました。「印刷して保存すれば、仕入税額控除は大丈夫?」「データも残さないといけない?」という疑問を、国税庁の「適格請求書等保存方式に関するQ&A」(令和8年5月改訂版)の問85・問102・問102-2にもとづいて整理します。自分が出した請求書の写しの保存は、別の記事です。
① 消費税の仕入税額控除(インボイス)の側
電子データで提供を受けた請求書は、整然とした形式・明瞭な状態で出力した書面を保存することで、請求書等の保存要件を満たします(問85。消費税法施行規則15条の5第2項)。
② 電子帳簿保存法(所得税・法人税)の側
国税庁のQ&Aは、参考として、次のように書いています。所得税(源泉徴収に係る所得税を除く)と法人税の保存義務者は、令和4年1月1日以後に行う電子取引について、データを書面に出力して保存に代える措置が廃止されました。令和6年1月1日以後の電子取引の取引情報は、要件に従った電子データの保存が必要です(問85)。
つまり、仕入税額控除のための請求書の保存は、印刷でも足りる、というのが問85の答えです。ただし、電子帳簿保存法が求める電子データの保存は、印刷しても、なくなりません。自分の事業が、この「保存義務者」にあたるか、細かな扱いは、国税庁の「電子帳簿保存法一問一答」で確認してください。
提供を受けた電磁的記録を、そのまま保存するときは、次の措置が必要です(消費税法施行令50条1項、同施行規則15条の5)。
ただし、検索機能は、国税の法律による電磁的記録の提示・提出の求めに応じられるようにしていて、かつ、基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者なら、すべて不要です。出力した書面を、日付や取引先ごとに整理して提示できる場合も、同じです。なお、令和5年12月31日までにやり取りした記録は、基準期間の売上高が1,000万円以下の場合に限る、とされています。
紙に印刷して保存するときは、整然とした形式及び明瞭な状態で出力する必要があります。
継続的なサービスなどで、仕入先からは書面の請求書が出ず、取引先のホームページの「マイページ」にログインして、契約ごとにダウンロードする方式があります。毎月ダウンロードして保存しないと、仕入税額控除ができないのでしょうか。
国税庁の答えは、次のとおりです。ECサイトなどで、購入者の情報を管理するページから領収書データをダウンロードでき、そのページでいつでも確認できる状態であれば、必ずしもダウンロードして保存していなくても差し支えない、という扱いが、電子帳簿保存法にあります。この扱いは、適格請求書に係る電磁的記録の保存にも、同じです。質問の例(7年間いつでもダウンロードして確認できる)では、毎月ダウンロードしなくても、その電磁的記録の保存があるものとして、仕入税額控除を受けて差し支えない、とされています。
この扱いには、条件があります。
サービスの終了や解約で、マイページに入れなくなると、「保存期間が満了するまで確認できる」という条件を満たせなくなる可能性があります。解約する前に、必要な請求書は、ダウンロードして保存しておくと安心です。
一般的な情報提供です。要件の細部や、ご自身の事業にあてはまるかは、国税庁のQ&A(消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A)、「電子帳簿保存法一問一答」の原文や、税理士にご確認ください。
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